【2026年】ナフサショックで住宅価格はどうなる?影響が届く"時期"と、材料ごとに差が出る理由を仕入れの現場目線から解説

はじめに


2026年に入ってから、「ナフサショック」という言葉をニュースで目にする機会が増えました。家づくりを考えているタイミングでこうした話題が出てくると、自分の家の価格にも影響が出るのだろうかと不安になると思います。


ただ、この話題は少し厄介です。「資材が高騰している」とは言われるものの、では自分の家がいくら高くなるのかという部分は、なかなか具体的な答えが返ってきません。


今回は、ナフサショックで何が起きているのかを整理したうえで、あまり語られない2つの点についてお話しします。ひとつは影響の大きさが材料によってまったく違うこと。もうひとつは、値上がりが実際の見積もりに届くまでには時間差があることです。



ナフサショックで、何が起きているのか

ナフサとは、原油を精製する過程で得られる石油化学製品の原料です。プラスチックや合成樹脂の出発点にあたるもので、住宅で言えば次のような部分に関わってきます。


  • 塗料・シンナー類:外壁や内装の仕上げ
  • シーリング材・接着剤:外壁の目地や、部材の接合部
  • 防水材:バルコニーや屋根まわり
  • 断熱材:発泡プラスチック系のもの
  • 樹脂配管・塩ビ管:給排水まわり


2026年、中東情勢の緊迫化を背景にホルムズ海峡の通航リスクが高まり、このナフサの価格と供給が不安定になりました。そこから連鎖的に、上記のような建材の値上げや受注制限が起きているのが現在の状況です。


かつてのウッドショックは、柱や梁といった木材が中心でした。今回が厄介なのは、石油由来の材料は代替が効きにくい点です。木材であれば樹種を変えるという対応ができましたが、断熱材や配管材は性能・規格・保証が絡むため、安いものへ簡単に置き換えるわけにはいきません。



ただし、影響は一律ではありません


ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。


「ナフサショックで家が高くなる」という言い方は、半分正しくて半分違います。というのも、同じ用途の材料でも、値上がり幅がまったく違うからです。


分かりやすいのが断熱材です。石油由来の原料を使う発泡プラスチック系の断熱材は、約40%の値上げに踏み切ったメーカーがある一方、グラスウールやロックウールといった繊維系の断熱材は、値上がり幅が約20%程度にとどまっています。同じ「断熱材」でも、倍近い差があるということです。


塗料も同じです。ひとくちに塗料と言っても、ナフサ由来の成分を使っているものと、そうでないものがあります。溶剤系のものは影響が大きく、水性のものは相対的に影響が小さい傾向があります。


つまり、値上がり幅は「業界全体で何%」という形では語れません。その家に何を使っているかで、影響の出方は変わります。



だから「自分の家にどう影響するか」は、簡単には答えられない

このことは、「資材高騰の説明が、なぜいつもふわっとしているのか」の答えでもあります。


住宅には、細かいものまで含めると1,000近い品目が使われています。その一つひとつについて、どのメーカーの、どの原料の製品を採用しているか。それが分からなければ、影響の大きさは計算できません。


「ナフサショックの影響はありますか」と聞かれて、「ありません」と即答できる会社があったとしたら、それは影響を受けていないのではなく、一つひとつを追えていない可能性のほうが高いと考えたほうが自然です。逆に「全部上がっています」というのも、材料によって差がある以上、正確ではありません。


家づくりを検討されている方にお伝えしたいのは、「上がりますか」ではなく「どの部分が、どのくらい上がりましたか」と聞いてみることです。答えられるかどうかで、その会社が自社の仕入れをどこまで把握しているかが見えてきます。



値上がりは、すぐには見積もりに現れない

もうひとつ知っておいていただきたいのが、時間差の話です。


建材は、メーカーから住宅会社へ直接届くわけではありません。ほとんどの建材は、代理店や商社を経由して現場に入ってきます。建築業界では、これがほぼ例外のない構造です。


この間に何社入るかによって、値上がりが最終的な価格に反映されるまでの時間は変わります。3社挟むのか、2社なのか、直接なのか。間に人が入るほど、時間差は大きくなります。


大切なのは、この時間差を「ゼロにする」ことは誰にもできないという点です。世の中で物価高が話題になってから、実際の仕入れ価格に届くまでには、必ずラグが生じます。「うちは影響を受けていません」という説明が成り立ちにくいのは、そのためです。


裏を返せば、いま提示されている見積もりには、まだ反映されきっていない値上がりがあるということでもあります。これはどの住宅会社にも共通する話です。



同じ材料でも、会社によって金額が変わる理由


時間差に加えて、金額そのもののブレも生まれます。


同じ資材を使っていても、間に入る代理店の判断と、最後にお客様へ価格を提示する住宅会社の判断によって、最終的な金額は変わります。似たような仕様の家なのに会社ごとに金額が違うのは、設備や仕様の差だけが理由ではありません。


では、その部分でフクタハウスは何をしているのか。ここからは、私たちの話をさせてください。



私たちがしていること

値上げ分を吸収する努力をする


フクタハウスの担当者の言葉を、そのままご紹介します。


100円のものが150円になりましたと言われたとき、値上がり分をそのまま反映すれば150円です。うちが5円負担して、代理店が5円負担して140円にはできないだろうか。
一度値上げ分を吸収する努力をする。吸収できる箇所がないか調べる。それだけの話じゃないですか。本当にそういう感じで、すべての項目についてやっています。


これは値引きの話ではありません。長年の取引で信頼関係を築いてきた代理店・商社があるからこそ成立していることです。相手にだけ負担を求めるのでも、こちらだけが被るのでもなく、双方が少しずつ引き受けれるか話し合う。私たちが取引している代理店が、それができる非常に優秀な会社であることに尽きます。


1,000近い品目を、1件ずつ記録する

この「5円ずつ分け合う」を成立させるには、地味な、地道な作業が要ります。


値上げの連絡は、1枚の書類として届きます。そこにはどの品目が、いくらから、いくらになるのかが書かれています。フクタハウスでは、この1件ごとを、すべて表に記録しています。


住宅は積み上げです。ひとつの品目の数円の差でも、1,000品目近く積み重なれば大きな金額になります。逆に言えば、一つひとつを追いかけていなければ、どこで、いくら引き受けたのかも分からなくなります。


決して華やかな仕事ではありませんが、値上がりに対して誠実に向き合うには、ここを飛ばすわけにはいかないと考えています。


木材は一括で仕入れ、自社の倉庫に置く

あわせてフクタハウスでは、木材を一括で仕入れ、自社の資材倉庫で管理しています。必要になるたびに都度手配するのではなく、まとめて確保しておく体制です。これも、価格変動の影響を受けにくくするための備えのひとつです。



では、いつ下がるのか

率直にお伝えします。下がる見込みは、正直ありません。


言い切れる理由は単純で、価格が下がるのは「本当に良くないこと」が起きたときだけだからです。大きな災害や、本格的な不況。そうした事態が発生しない限り、下がる方向には動かないと考えています。


価格は、需要と供給で決まります。分かりやすいのが、木材で実際に起きたことです。


ウッドショックで海外から木材が入らなくなったとき、国産材でまかなう必要が生じました。それまで50本切り出していた地域から、100本切り出す。当然、供給量は増えます。


ところがウッドショックが落ち着き、海外材が再び入ってくるようになると、増やした国産材が余ります。ここで価格破壊が起きます。立方メートルあたり6万6,000円ほどだったものが、6万円になる。


「安くなってよかった」と受け取る方もいると思います。ただ、この値下がりで大きな打撃を受けるのは林業の現場です。採算が合わなければ、切り出す人がいなくなる。結果として、国産材を安定して供給できる体制そのものが失われていきます。


供給できる量が減れば、次に何かが起きたときに、もっと大きな値上がりとして返ってきます。


安くなるときには、たいてい理由があります。そしてその理由は、多くの場合あまり良いものではありません。私たちが「安ければいい」と言い切れないのは、こうした循環を実際に見てきたからです。


加えて、いま上がっているのは資材だけではありません。人手不足を背景とした施工費・労務費も上昇が続いており、こちらは資材価格が落ち着いたとしても下がりにくい性質のものです。



まとめ

今回お伝えした内容を整理します。


  • ナフサショックは、塗料・シーリング材・防水材・断熱材・樹脂配管など石油由来の建材に影響している
  • ただし値上がり幅は一律ではない。同じ断熱材でも、原料によって約40%と約20%の差がある
  • 影響の大きさは、その家に何を使っているかで決まる。だから「どの部分が、どのくらい上がったか」を聞くのが確実
  • 建材は代理店・商社を経由するため、値上がりが見積もりに届くまで必ず時間差がある
  • 資材だけでなく労務費も上がっており、値下がりを待つ性質のものではない


家づくりの価格は、目の前の金額だけを見ていると分かりにくいものです。その裏側で何が起きているのかを知っておくだけでも、見積もりの受け止め方は変わってくると思います。


フクタハウスでは、こうした価格の背景についてもご質問があればしっかりとご説明しています。気になることがあれば、どんなことでもお尋ねください。


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