「庭付きの一戸建て」と聞くと、ガーデニングを楽しんだり、子どもやペットが走り回ったり、友人を招いてBBQをしたり…そんな理想の暮らしを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ計画を始めると「どれくらいの広さの庭が必要なんだろう?」という、最も根本的な疑問に突き当たります。ネットで検索しても、どのサイトも似たようなメリット・デメリットが並んでいるだけで、本当に知りたい答えは見つかりません。
そこでこの記事では、ありきたりな解説を一旦忘れ、「あなたの暮らしに本当にフィットする庭」を見つけるための、新しい考え方をご提案します。
その庭で「いつ」「何をしたい」ですか?目的別に考える最適な広さ



「どれくらいの庭が必要か?」というご質問に対し、私たちはお客様のやりたいことをヒアリングして、最適な広さの目安をつけていきます。なぜなら、庭の使い方が「期間限定」のイベントなのか、「毎日」の暮らしの一部なのかによって、必要な広さが全く変わってくるからです。
1. 「期間限定」のイベントが目的なら、庭は最低限の広さで良い

お客様から最も多くいただくご要望が、「庭でBBQをしたい」、「子どもをプールで遊ばせたい」 の2つです。
これらは夏休みや週末など、時期が限定されるとても楽しいイベントです。しかし、その年に数回のイベントのために広大な庭を用意しても、それ以外の季節は使われない、ただの広いスペースになってしまう可能性があります。年に数回しか使わない庭でも、雑草対策や落ち葉拾いといったメンテナンスは通年発生します。
そこでフクタハウスでは、「期間限定のイベントが目的なら、庭は最低限の広さで計画しましょう」とご提案します。例えば、ゲストを多く招いてBBQをするなら、6人掛けのテーブルとコンロを置くスペースを考慮して奥行き4mほど確保する、といった具体的な寸法で考えます。この広さがあれば、プールの設置も可能です。
2. 「毎日の暮らし」で使うなら、ゆとりのある広さを

一方で、庭の使い方が時期に限定されない場合もあります。例えば、「毎日、庭を眺めて過ごしたい」といったご要望です。
朝起きてカーテンを開けた時、緑豊かな坪庭が目に入ると、一日が穏やかに始まります。このような「見るための庭」は日々の暮らしに潤いを与え、さらに将来、「家庭菜園や畑もやりたい」という新しい楽しみが生まれる可能性も秘めています。畑仕事は一年を通して行うため、ある程度の広さが必要です。
このように、毎日使う可能性がある庭の場合は、最低限の寸法ではなく、ある程度の余剰を確保した設計をご提案します。
庭の選択肢は芝生だけじゃない!暮らしを豊かにする庭のアイデア


「庭」と聞くと広い芝生をイメージしがちですが、ライフスタイルによってはもっとフィットする庭のカタチがあります。注文住宅を検討される方に特に人気の2つのスタイルをご紹介します。
プライベートテラス



リビングと一体で使える「第二のアウトドアリビング」です。外からの視線を遮る設計にすれば、人目を気にせず食事や読書を楽しめます。プライバシーを確保したい、お子様が安心して遊べる場所が欲しいというお施主様に特に人気です。雑草取りの手間からも解放されます。
坪庭


たとえ小さなスペースでも、光や風、緑を感じられるのが坪庭の魅力です。浴室や玄関から見える位置に設ければ、日々の暮らしに彩りと癒やしを与えてくれます。都市部の住宅地など、広い庭が望めない場所に最適です。
見過ごされがちな、庭が持つ本当の価値とは?


それは、家族のライフステージの変化に合わせて、使い方を変えていける「未来への可変性」です。
お子様の成長、働き方の変化、車の所有台数の増減など、10年後、20年後の暮らしを正確に予測するのは困難です。庭という”余白”があることで、将来の暮らしの変化に柔軟に対応できる。これは、「建ててしまったら変えられない家」という資産において、非常に大きな価値を持ちます。
例えば、子どもが小さいうちは思い切り遊べる庭として使い、成人して車を持つようになったら、庭の一部を駐車場に増設する。そんな柔軟な使い方が可能です。
「当たり前」が違う?住む場所で変わる庭の価値観
家づくりにおいて「庭」に対する考え方や価値観は、実は全国共通ではありません。特に、土地の広さに余裕がある地方と、限られた土地を有効活用する都市部とでは、その「当たり前」が大きく異なります。
地方(例:岐阜県)のスタンダード
私たちが本社を置く岐阜県のようなエリアでは、お客様との会話は「家・駐車場・庭」の3つが揃っていることを前提に進むことが多くあります。
都市部(例:愛知県)のスタンダード
一方、名古屋などの都市部にお住まいのお客様の場合、「家・駐車場」が前提で、そもそも庭という選択肢がなかったりします。都市部で生まれ育つと、元々庭のない家で暮らすのが当たり前なため、駐車スペースが庭の役割を兼ねていたり、庭の必要性を感じなかったりするのです。
このように、お客様がこれまでどんな環境で暮らしてきたかによって「庭」の捉え方は様々です。私たちはその背景を丁寧にヒアリングし、お客様にとって最適なご提案を心がけています。
まとめ:あなただけの「庭の答え」を一緒に見つけましょう


庭付き住宅を考える上で大切なのは、ただ漠然と広い庭に憧れるのではなく、「その庭で、どんな暮らしを送りたいか」を具体的にイメージすることです。
- いつ、何のために使うのか?(期間限定か、毎日か)
- どんなスタイルが好きか?(芝生か、テラスか、坪庭か)
- 将来、どんな変化がありそうか?(家族構成、車の台数など)
- どんな場所で育ってきたか?(地方か、都市部か)
私たちは、お客様との対話を通じてこれらの答えを紐解き、期間限定の使い方から将来の可能性まで見据えた、本当に価値のある庭のカタチをご提案します。
あなたの暮らしにフィットする、庭のカタチをご提案します
「BBQや子供とのプール、どれくらいの広さが必要なんだろう?」
「将来、駐車場にできるような庭の設計もできる?」
そんな具体的なご質問やご相談がありましたら、ぜひ一度、フクタハウスにお聞かせください。お客様との対話を通じて、ご家族の今と未来に寄り添った、最適な庭づくりをお手伝いします。

