プロだったら絶対やらない!建築士に止められた住宅設計の5つのポイント

InstagramやSNSで話題の住宅デザイン。おしゃれで美しい家を目指す方にとって憧れのデザインが数多くありますが、実は見た目の良さとは裏腹に、住んでみると問題が生じやすいポイントもあります。そこで今回は、インスタで人気のデザインの中から、プロの建築士が「実はおすすめできない」と止めているポイントを詳しく解説します。フクタハウスの現役設計士による具体的なアドバイスとともに、家づくりを成功させるためのヒントをお届けします。



1.引き込み戸

引き込み戸は、扉が壁の中に収納されるため、空間が広く感じられ、インテリア性も高いと人気です。しかし実際には、戸袋に埃やゴミが溜まりやすく、掃除が難しいという難点があります。さらに扉や金具が故障した際には壁を壊す必要があり、大がかりな修繕工事が必要となります。また、壁内部に戸袋が設置されていることで、家具の設置や収納棚の設置が制限されるケースもあります。


設計士の一言:「引き込み戸は美しいですが、メンテナンス性を考えるとおすすめしません。将来の修理コストや手間を考えると、引き違い戸や開き戸など、メンテナンス性に優れた扉を選ぶ方が安心です。特に家族が多い家庭やペットがいる家庭では、開閉頻度も多いため注意が必要です。」


2.グレーのクロス

グレーの壁紙はおしゃれで落ち着いた空間づくりに役立ちますが、施工後、年月が経つにつれてクロスが収縮し、壁紙の継ぎ目が目立ちやすくなるのが問題です。一方、白や淡色系のクロスは膨張色のため、継ぎ目が比較的目立ちにくく、長期間美しい仕上がりを保つことができます。また、濃い色の壁紙は、時として部屋を狭く感じさせてしまうこともあります。

設計士の一言:「クロス選びは色や柄だけでなく、施工後の経年変化も考慮しましょう。白をベースに、家具やカーテンなどでカラーを加えると、長期的に美しさを保てます。また、小さな部屋や日当たりが少ない空間には、明るい色を使った方が開放感が出ます。とはいえ、デザイン性を重視する方々にとって、グレーのクロスは魅力的な選択肢の一つです。取り入れる際はデメリットも意識しましょう。」



3.エアコンのコンセントを天井につける

「すっきりと見せたい」と、天井付近にエアコンのコンセントを配置を希望する人も多いですが、エアコン本体の設置には10cm以上の上部スペースが必要です。そのため、希望通り設置ができなかったり、コードが露出して見栄えが悪くなったりするケースが多発します。また、エアコン交換時の配線変更が難しくなり、余計な工事が必要になる場合もあります。

設計士の一言:「エアコンは設置位置を正確に想定し、施工前に専門業者と相談することが重要です。見た目と機能性のバランスを考えるなら、壁面中央あたりの設置が無難です。将来の機種変更時にも対応しやすい位置にコンセントを設置しましょう。」



4.窓枠をつけない

最近はミニマルなデザインが人気で、窓枠を省くデザインもよく見かけます。しかし窓枠がないと、壁紙の端から徐々にめくれてきてしまうことがあります。特に湿気の多い季節や、結露が発生しやすい場所では傷みが早く進行します。窓枠がないことで壁面と窓の境界部分の保護が十分でなくなり、窓掃除の際に水分が壁紙に染み込んでしまうことも考えられます。

設計士の一言:「窓枠を設置することで壁紙の保護にもなります。色や素材を工夫すればデザイン性を損なうことなく、美観を長く保つことができます。特に結露しやすい地域では窓枠を必ず取り入れましょう。」



5.クローゼットの場所を増やしすぎる

収納を増やすことは住宅設計の基本ですが、収納が分散しすぎると、日常的に必要なものを探す手間が増え、生活動線が煩雑になってしまいます。結果的に使いにくい家になってしまう可能性があります。また、収納が多いことで部屋が狭く感じられる原因になることもあります。

設計士の一言:「収納は量よりも質と場所が重要です。ファミリークローゼットやパントリーなど、使いやすい場所に集中して配置することで、日常生活がよりスムーズになります。動線を整理することで、生活の質も向上します。」



まとめ

Instagramで話題の住宅デザインでも、プロの視点で見ると実は後悔するポイントが隠れていることもあります。デザインの良さだけでなく、実際に生活する際の利便性やメンテナンスのしやすさを考えることが家づくり成功の秘訣です。


フクタハウスでは、経験豊富な設計士があなたの理想の家づくりを丁寧にサポートします。家づくりに関するお悩みやご相談はお気軽にお問い合わせください。理想の暮らしを一緒に実現しましょう!