「部屋の明るさは十分なのに、なんだか空間が物足りない…」
「もっとカフェやホテルのような、おしゃれな雰囲気にするにはどうすればいいの?」
そんな風に感じたことはありませんか?
住まいの照明計画は、大きく分けて2つの要素で成り立っています。
一つは、シーリングライトやダウンライトなど、部屋全体の基本的な明るさを確保するための「一般照明」です。これは快適な暮らしを送るための、いわば照明の”土台”の部分です。
この”土台”となる「一般照明」については、第一部の記事で詳しくご紹介しています。基本から知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
>>【第一部】照明の基本:シーリングライトとダウンライトの違いとは?
間接照明の「種類」や「楽しみ方」を知りたい方はこちら:
Instagramで話題!ホテルライク間接照明3選|設計士ならこれを選ぶ コーブ照明?コーニス照明?プロが教えるワンランク上げ術【設計士解説】
そして、その土台の上に、空間にアクセントを加えたり、陰影でムードを演出したり、インテリアの個性を表現したりするのが、今回ご紹介する「特殊照明」の役割です 。
この記事では、住まいをワンランク上の空間へと引き上げる特殊照明の種類と、その効果的な使い方をプロの視点で詳しく解説します。
【空間のアクセント】ペンダントライト




天井からコードやチェーンで吊り下げるペンダントライトは、デザイン性の高さが最大の魅力です 。 空間のアクセントとして、インテリアの方向性を決定づけるほどの力を持っています。
ペンダントライトの魅力
- デザインがとにかく豊富:ガラス、スチール、木、和紙など素材も様々で、選ぶ楽しみがあります 。 多灯吊りにしたり、長さを変えたりと、アレンジも自在です。
- 食卓を美味しく演出:ダイニングテーブルの上に設置すれば、低い位置からの光が料理に陰影を生み出し、立体的に見せてくれます 。 温かみのある光は、家族団らんの食卓をより豊かなものにしてくれます。
- 狙った場所を照らす:ダイニングのほか、キッチンカウンターの手元や、階段、玄関、トイレの補助照明としても効果的です 。
プロからのアドバイス
- 掃除の手間を考慮する:デザインが凝っている分、ホコリがたまりやすいのがデメリットです 。 掃除のしやすさも考慮してデザインを選ぶと、長く快適に使えます。
- 設置の高さが重要:ダイニングテーブルの上に設置する場合、テーブル面から60〜80cm程度の高さが、料理をきれいに見せ、かつ頭をぶつけにくい目安です。
- ダクトレールを活用する:天井に「ダクトレール」を設置すれば、ペンダントライトを複数取り付けたり、位置を自由に変えたりできるので、模様替えにも柔軟に対応できます 。
【照らしたいを叶える】スポットライト




特定の場所やモノをピンポイントで照らすことを得意とする照明です 。 まさに「光の演出家」と言えるでしょう。
スポットライトの活用シーン
- アートや植物を照らす:壁に飾った絵や写真、お気に入りの観葉植物などを照らせば、そこがギャラリーのような特別な空間になります 。
- ワークスペースを照らす:デスク周りの手元を照らすタスクライトとして活躍します 。
- 建築構造を際立たせる:吹き抜けの天井や美しい梁などを下から照らし、空間の構造をダイナミックに見せることもできます 。
【壁面を彩る光】ブラケットライト







壁に取り付けるタイプの補助照明です 。 直接的な明るさを取るというよりは、壁面に光と影の美しいコントラストを作り出し、空間に奥行きとムードを与える目的で使われます 。
ブラケットライトの魅力
- 上質な空間演出:ホテルの客室や廊下のように、落ち着いた上質な雰囲気を演出できます。寝室の枕元、廊下や階段の足元灯、玄関ポーチの照明として人気です 。
- インテリアの一部になる:照明器具そのもののデザインも豊富で、点灯していない昼間でも壁面のアクセントとして機能します 。
プロからのアドバイス
最も重要な注意点は、後付けが非常に難しいということです 。 壁の内部に配線を通す必要があるため、新築やリノベーションの設計段階で位置や高さを決めておく必要があります 。 「ここにブラケットライトがあったら素敵だったのに…」と後悔しないよう、早めの計画が不可欠です。
【上級者の照明術】建築化照明




建築化照明とは、天井や壁などの建築構造の一部に照明器具を組み込み、光源を直接見せずに空間を照らす、最も洗練された照明手法の一つです 。 光源が見えないため、光そのものがデザインとなり、空間全体が柔らかく上質な光に包まれます 。
- コーブ照明:折り上げた天井の内部に光源を隠し、天井面を照らす手法 。 光が天井で反射するため、非常に柔らかく開放感のある空間になります。リビングや寝室におすすめ 。
- コーニス照明:天井と壁の境界に光源を隠し、壁面を照らす手法 。 カーテンや壁の素材感を美しく浮かび上がらせ、空間をドラマチックに演出します。テレビの背面や、寝室、廊下、洗面所などで効果的 。
これらの建築化照明は、空間に上質な奥行きと雰囲気をもたらす非常に効果的な手法ですが、計画には専門的な知識が不可欠です。
より詳しい解説や、失敗しないためのポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
>>コーブ照明?コーニス照明?プロが教えるワンランク上げ術【設計士解説】
【Q&A】お客様が悩むデザイン照明のポイント
Q1. 寝室をおしゃれにしたいのですが、どんな照明がいいですか?
A. インスタグラムなどでおしゃれな事例をご覧になっているお客様から、特に多いご質問です 。 もちろんダウンライトも良いのですが、デザイン性を求めるなら、壁を優しく照らすブラケットライトや、ベッドサイドに吊るす小ぶりのペンダントライトが人気です 。 お客様ご自身でお好きなデザインの照明を探して、支給していただく形もよくあります 。
Q2. 間接照明(建築化照明)に憧れますが、計画が難しいですか?
A. はい。これはお客様が最後まで決めきれなくなる、最も難しいポイントの一つです 。 なぜなら、建築化照明は建物の構造と一体になるため、希望通りにいかないケースも少なくなく、プロである私達も慎重な検討が必要になるからです 。 結果的に、お客様も私達プロも「間接照明」というキーワードで検索し、イメージを探すことがよくあります 。 憧れを実現するためにも、設計の早い段階で、どんな雰囲気が好きなのか、ぜひ私達にご相談ください。
まとめ:特殊照明を使いこなし、理想の空間を演出する
今回は、空間をより豊かに、そしてあなたらしく彩る「特殊照明」について解説しました。
- ペンダントライトは、食卓のアクセントに。
- スポットライトは、お気に入りのコーナーを主役に。
- ブラケットライトは、壁に陰影を与え、ムードある空間に。
- 建築化照明は、空間そのものを光でデザインする上級テクニック。
第一部でご紹介した「一般照明」で快適な暮らしの土台を築き、その上にこれらの「特殊照明」を効果的に組み合わせることで、照明計画は成功します。
憧れの空間を、照明で実現しませんか?
ここまで読んで、「照明でこんなに空間が変わるのか」と、ワクワクされた方も多いのではないでしょうか。
しかし、特にブラケットライトや建築化照明は、専門的な知識と計画が不可欠です。「イメージと違った…」と後悔しないためには、プロとの相談が成功への一番の近道です。
私たちはお客様の理想の暮らしをヒアリングし、数ある選択肢の中から最適な照明プランをご提案します。「こんな雰囲気にしたい」というイメージ写真一枚からでも構いません。ぜひお気軽にフクタハウスまでご相談ください。

